在蘭邦人相談窓口のブログ

オランダにある、日本人のための相談窓口。オランダ生活で分からないことがあればお気軽にご相談ください。相談無料。秘密厳守。

オランダのコロナ対策と就労・家庭生活への影響(1)善積京子名誉教授 論文抜粋

オランダにおけるワーク・ファミリー・バランスについての論文を当ブログ記事へご寄稿下さった善積京子名誉教授が、オランダCorona論文を脱稿されました。
2年にわたるコロナ禍でオランダはどのような状況だったのでしょうか。コロナ対策とその影響を改めて振り返ってみたい方にとって、大変興味深い論文です。

善積京子名誉教授ご本人より当ブログへの掲載許可を頂きましたので、抽出又は全文を皆様と共有していきたいと思います。



『追手門学院大学・地域創造学部紀要』第7巻

オランダのコロナ対策と就労・家庭生活への影響
善積京子名誉教授

The Dutch government's response to COVID-19 and its impact on work and family life
Kyoko Yoshizumi


要約


オランダで2018年と2019年にワーク・ファミリー・バランスに関するインタビュー調査を行ったが、コロナ禍での仕事や家庭生活の変化を探るために、2020年にそのインタビュー対象者にウェブ調査を実施した。本稿では、この調査結果を基に、オランダ政府のコロナの感染防止対策や経済的支援策がどのようなもので、それがどのように人々の就労や家庭生活に影響を与えているかを論じる。

オランダ政府の企業や自営業者に向けた経済支援対策は、①財政措置(給付・補助・補償)、②税的措置、③信用保証・融資の措置に大別でき、支出額の半分以上は企業の賃金補助に費やされ、多くの企業がこれを利用し、経済の急激な縮小や失業率の悪化が回避され、この支援対策は高く評価されている。就労へのコロナの影響は職種によって大きく異なる。在宅勤務・オンライン会議の増加など密を避ける対策が採られ、職場環境は激変する。コロナ禍で女性の「重要な職業」に従事する割合が高く、女性は男性よりも仕事・家庭でのプレッシャーをより多く受ける傾向にある。家事・育児分担が変化するなど、家庭生活も大きな影響を受ける。

日本でも、従業員の賃金補助などターゲットを絞り込んだ迅速な支援対策が必要である。オランダでは在宅勤務が「義務」となり、テレワークのデメリットが顕在化し、それを軽減するための方策が打ち出される。日本でも、テレワークのデメリット軽減の方策、ジェンダー視点からのコロナ対策が必要である。


キーワード:オランダ、新型コロナウイルス感染症、経済支援策、ロックダウン、在宅勤務、テレワーク、家庭生活、家事・育児分担、ジェンダー



つづく

A子

《 夏休みのお知らせ 》

7月16日~8月28日まで電話相談はお休みいたします。
その間メール相談は通常通り受け付けています。

にほんブログ村 海外生活ブログ オランダ情報へ
にほんブログ村にほんブログ村に参加しています。クリック応援よろしくお願いします!


20180108232417

jhelpdesk.hatenablog.com



★ 在蘭邦人相談窓口ではスポンサー企業を募集しています。ブログランキング上位の当ブログに広告を出してみませんか?詳細はjhelpdesk@live.nlまでお問い合わせください。

★ ボランティアメンバー募集中

ホームページ

メール相談はこちらからどうぞ。