2017年11月。
(写真右から:ディレクターのユラーテさん、高橋、シギタさん、ヴァイヴァさん)
デイセンター「光」(前回、精神障害の施設と記しましたが正しくは知的障害者施設)のユラーテさん(ディレクター)、ダイヴァさん、シギタさんにご協力を頂き、私を含め総勢4名がテーブルを囲みました。対話を質問と返答の形にしてまとめてみます。
障害施設「光」ディレクターのユラーテさん
ヴィリニュスにはデイセンター「光」のような公立施設が複数あると聞きましたが。
「ええ、ヴィリニュスは街が大きいので7つありますよ。リトアニアは大小50の地方自治体から成り、市や町がそれぞれ一つ以上の施設を持っているので全国ではかなりの数になります。実は社会福祉省から今2つのプランが発信されています。近い将来、障害者たちの住む近隣にセンター施設を設けるというもの。そのメリットは、彼らが地域で築いた人間関係や生活環境のもとで暮らせること。次に、障害者が多人数で暮らす施設がありますが、これを少人数化するというものです。大きな施設では独立していくのがなかなか難しい。なぜだかわかります? 運営上手っ取り早く彼らに全部してあげてしまうからなんです」。
そうですか。想像できます。では障害者手当についてはいかがですか?
「障害の度合いによって異なりますがね。施設にも助成がありますから個人負担は10%です」。
ここを訪れるのは先天的障害を持つ方々ですか?
「その通りです。遺伝子異変,お産の際の事故(外傷),メニンジティス(meningitis)などのウィルス感染症。ダウン症(英国のダウン医師から取った名称。モンゴリスムと同義)は21番染色体が1本多い(21トリソミー症候群とも呼ぶ)など複雑ですがそれらが原因で知的障害に至るのです。私どもの施設は中度から重度の障害者対象になっています」。
施設の目標はどのように?
「様々な活動を通して、全ては無理でも最大限に独立できることを目指しています」。
活動の一つである音楽鑑賞。ディレクターのお言葉を覚えていますがこれは大切な分野ですか?
「そう。音楽は大変大きな役割を担っている分野です。後でそれがどういう事か話したいと思います。絵画や陶芸作品、著書などもご覧になったでしょう? その道のプロが一様に驚きますよ。芸術作品を目にするからです」。
素晴らしい作品があるのを私(高橋)も拝見しました。
「長年見ていますが芸術的才能を発揮する人たちが大勢いる。それを助けるのが私たちの仕事のひとつです。彼らは色彩感覚にせよフォームにせよ何物にも妨げられない自由さと伸びやかさの中で製作を展開していきます。知性的な情緒が飛び抜けて優れていること。文化面に対して開けていること。これが彼らのパワーです。このパワーこそはね、我々の社会が本来必要としているものだと確信してます」。
その3につづく。
付録。
日本の厚生労働省の資料によれば平成27年の障害者支援施設は日本全国に5874件。
しかし平成19年のデーターには知的障害者施設3800件、精神障害者施設935件と区分がありました。
平成17年、日本の知的障害者数は54.7万人、精神障害者数302.8万人。
60歳以上の障害者が年々増加。施設の利用者の年代はトップか40歳代、次に30歳代。
日本では知的障害とは知能に遅れがある障害,そうでないのが精神障害と定義。
2018年1月 高橋眞知子
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