在蘭邦人相談窓口のブログ

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リトアニア・ヴィルニュス市のデイセンター「光」 その3 最終回

人々の障害者への視線はどのようなものですか。



「それについては歴史的な背景があります。ソビエト専政時代には障害者たちは街から外れた場所で社会と断絶を強要されていました。障害者は不要な存在であるかのような意識を国民に植え付けました。リトアニアが独立宣言をした翌年の1991年、バルト三国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)はそれぞれ念願の独立を果たしました。その後約25年間(公立ー私立施設「光」の設立年数)私たちは研究し啓蒙もしてきました。今では随分と変化がみられます。特にヴィリニュスのような大きな町では彼らの本当の姿が理解がされ始めています」。

小さい町や村にも広がるといいですね。しかし障害者を持つご家族のご苦労は計り知れませんが。



「確かに。彼らは社会のあり方とは全く異なりますから。ただ家族の中には障害者をもつことを恵みと捉える家族もあります。なぜなら生命の価値観というものを彼らから教えてもらえるからです。これは実はみなさんにも知ってほしいことです。時間についても我々のようにあたふた生活するようなことはない。本当の時間が何であるかを彼らから教わります」。



お話を聞いていると考えさせられることが沢山です。ところで、障害者たちの芸術的才能については既に触れましたが、それ以外の才能とは?



「それは彼らが自由であるということでしょう。好きなら好きと表現し、嫌なことも時間が過ぎれば元に戻る。ベストな人間関係作りの才能です。人々は高価な車(もの)が欲しかったり、美貌のパートナーを願望したり(笑)様々な欲望を持ちますが、彼らにそれはありません。権力などについても同じです。この解放された自由が才能でなくて何でしょう。それに、何か作製する時など我々のように迷いがありません。迷いがないんです」。



そうですか。迷いがないとはまさにキーワード。では彼らの共通点といったらよいでしょうか。何かありますか。



「それにはこう答えたいと思います。彼らが何か同じものを共有しているのではないかと思えるのは、彼らが音楽を鑑賞している時でしょう。極めて繊細な感覚を持って鑑賞しています。ある古楽の演奏家がここを訪問して、彼らはまるで音楽を吸い取っているみたいだと話していましたね」。



それは私も経験しました。仰る通りです。演奏者は特別な体験をします。



今後提案していきたいプランなどありますか?



「ありますよ。ですから教育施設を障害者たちと共に訪問します。あるいは来てもらう。交流するのです。その時レポートを各々書いてもらいます。すると多くの発見や驚きの声が表明されるのですが、これは我々の大きな励みになります。


最後にみなさまから何か?



「その交流、コミニケーションですね。障害者の才能が国籍を超えて世界に広く知られるようになることを祈っています」。




訪問演奏で私もその機会を頂き感謝しています。多くのお話を大変ありがとうございました。



ラバイ アチュー。      


2018年2月



高橋眞知子



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