ローカルバスの私達の座席の反対側一番前の席には、一目で明らかに白人との混血と分る中学生くらいの少女が背中にYAKUと書かれたスポーツクラブの服装で座っています。
ここ屋久島で、と意外な気持ちがしながら、少女の綺麗な透き通ったピンク色の頬を斜め後ろのやや離れた席で見とれていました。
少女は屋久島空港に近い長峰辺りで下車しました。
降り際に振り返った少女の目が私の視線を捉えました。
直ぐに逸らせた少女の視線は鋭い一瞥でした。これは下車の時にとる何時もの行動なのか、白人の血が流れるハーフとしてのプライドを表現したものか、或いはこの島で生活して行く上で何か気に入らない不安な事などが(その日に)あったのかも知れません。
宮之浦港までのバスの窓からは5月の日本の花々が一手に見られるかのような素晴らしい海岸線の風景が広がっていました。
つづく
A子