屋久島への旅のプランを一手に引き受けてくれた九州に住む学生時代の友人は、高速船上で泳げない事を初めて告白しました。
台風1号の影響を受けた海上の波の高さを、港で何度も気にしていた理由が良く分りました。
季節、天候が良ければこの友人と二人で海へ潜っても良いかな〜と考えていた私は驚き、海に囲まれた旅程の数日間に水難があれば、泳げない友人を泳げる私が助けなければならない、出来るだろうかという不安が一瞬頭をよぎる中、学生時代に戻って話が弾ずみます。
終点の安房港へ到着、下船しますと、タクシースタンドも何も無いのですが、客待ちをしているタクシーが数台あります。
これを横目で見て、友人を励まし荷物を引きずりながら近くのバス停まで行き時間表を見ました。
10数分ほどで目的地・宮の浦行きのバスが通過する事が分り、暫く待って二組程の高速船旅行者と共にローカル路線バスに乗り込みました。
県道を走るバスの窓と車体が車道両側の樹木の枝葉で拭かれてゆきます。
腕を出している数少ない乗客の中の一人がバスの運転手に「腕を出さないように」と注意されています。
つづく
A子