在蘭邦人相談窓口のブログ

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クリスマススピーチ(Kerstrede)                 

早くも12月に入りました。
オランダでは、毎年12月 25日クリスマスの日には女王がテレビ放送を通してクリスマスメッセージを国民へ語り掛けています。
クリスマススピーチ(Kerstrede) は、現女王の祖母ウィルヘルミナ元女王が第一次世界大戦勃発後の困難と悲しみの時代に、
「救い主の救済を信じ、また、ベツレヘムの馬小屋の幼子イエスを信仰する様に」と国民に書面で呼び掛けるクリスマス声明を
行ったのが始りです。その後1931年のクリスマスには新設のラジオ放送で、「距離が国民と吾を隔てること無く、
こうして今、吾は我国の多くの民と共に有り、繋がり、語り掛ける事が出来るのを無上の喜びとする」という有名なスピーチを行いました。
また、1939年の第二次世界大戦勃発の動員の最中にも放送しています。ロンドン亡命中の1940年のクリスマスには、
「神への揺るぎ無い信仰」を海を越えてラジオでオランダ国民に何度も語り掛けました。

前ユリアナ女王戴冠後の1948年には、歴史に伴ってクリスマスメッセージも新しい時代に入ります。
1949年のインドネシア独立、1950年の復興の時代、1953年の大水害などを経て、
声明は深遠な宗教哲学的思索の入った色合いを帯びます。
聖書の言葉に帰した内容のみでは無く女王個人の哲学的なテキストが加えられました。
ユリアナ前女王は即位の間に31回のクリスマススピーチを行っておられます。
今年のクリスマススピーチ(Kerstrede)はベアトリックス女王にとって31回目のクリスマススピーチとなる予定です。