オランダの王室第7回最終回は、「女王の日」についての報道を振り返ってみます。
7.「女王の日」(2007年4月)
4月30日(月)には毎年恒例の「女王の日」がやってきます。
この日は、子供も大人も町に出て、使わなくなった玩具、服、靴、家具、小物などを売ったり買ったりして全国市町村の路上で全国民がフリーマーケットの商人となり自由交易を楽しむ日となります。
この為の場所取りが日本のお花見、花火大会前夜と同じく、非常に真剣に多くの場合は子供の親達によって実行されます。
近年は前夜祭(4月29日19:00から30日01:00)、と当日にかけて各所でイベントが計画されています。
「女王の日」は1885年、「プリンセスの日」という名称でウィルヘルミナ女王の誕生日8月30日を記念し、夏休みの終り頃の子供達のお祭りとして設けられたのが始まりです。
概ねその伝統は今日にも引き継がれ、路上にシートなどを敷いて子供達が自分の宝物を安値で売る店開き市として残っています。
1949年、当時の女王ユリアナの誕生日4月30日に祭日は移動しました。
アムステルダム市ではDam広場、Damrak通り、Rokinn地区を閉鎖し交通を遮断させ、青少年の為のお祭りを企画します。
現行の形態に落ち着いたのは1970年代でした。
それから次第に「市」の為の閉鎖区域が拡大されて行き、現在は公共交通機関、車などで市周辺へ辿り着いた後は、何処へ行くにも徒歩を覚悟しなければなりません。
07:30から22:00までの間は市内は自動車通行止めとなります。
この日を楽しく過ごす為の様々な細かい規則も作られています。
市内で物品の販売をして良い時間帯は06:00から20:00です。
予想される群集による緊急事態に対応する為にマーケット、障害物、露店、舞台の設置を禁止している道路や地域もあります。
Dam広場、Damrak通り、Rokin地区は現在は市場免許を持つ業者のマーケットになりました。
市街を清潔に守り、後片付けを容易にする為に:
−場所取りの枠サインはテープやペンキを使わず白墨かクレイで路上に書く事
−残り物はゴミ袋に入れる事。販売に利用した場所を掃くなどして清掃する事
−家庭・企業ゴミは「女王の日」の週末に出さない事。
−「女王の日」当日のゴミ収集は無いので次の週に家庭ごみを出す事。
などが規定され、清掃警察局の厳しい監視が行われます。その他に
− 個人はアルコール、腐りやすい食品を販売してはならない、
−アルコール商品を一つ以上保持している場合は没収する。
−食料品販売は、免許を所持する飲食店・業者に限る。
などの規則があります。
この日に大人の間で飲まれるOranje bitterという19世紀始めにオランダ人の間に広まった名前に反して甘い、リキュールがあります。
オランダ領キュラソー島の柑橘科オレンジの果実の皮を乾燥させたものが原料です。
オランダ王室を祝うに相応しいコクのあるオレンジ色をしています。
2013年4月30日に行われた王戴冠式の後、「女王の日」は「国王の日」に変わりました。
初めて行われた「国王の日」は2013年に予定され戴冠式でお流れとなったAmstelveen市となり、日本の空手、折り紙、和服を含む盛大なお祭りとなりました。
A子
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