オランダのコロナ対策と就労・家庭生活への影響 (6) 善積京子名誉教授論文抜粋

『追手門学院大学・地域創造学部紀要』第７巻

オランダのコロナ対策と就労・家庭生活への影響
善積京子名誉教授

The Dutch government's response to COVID-19 and its impact on work and family life
Kyoko Yoshizumi

第 1 回目の規制緩和

新規感染者数は2020年 4 月10日をピークにその後減少し、 4 月22日に一部の規制緩和が発表され、接触の必要な業務の大半が再開を許可された。一方、イベント禁止の期間は延長された。

5月11日に小学校が開校されるが、しばらくは分散登校などの対策が採られた。6 月 1 日には、公共交通機関でのマスク着用を義務化し、違反者には95ユーロの罰金が科された。一方、レストランや美術館・博物館などは予約や人数制限を設けながら再開され、小学校は6 月 8 日から完全に再開されることになった。

7 月 1 日にさらに規制緩和が進められ、飲食店・劇場・映画館・教会や集会やイベントは予約があれば上限人数なしとなった。スタジアムでのスポーツイベント観戦も可能になり、スポーツジム・サウナ・カジノ・性風俗店も再開された。中高等学校は夏休み明け（ 9 月）から完全再開とされた。こうして大幅に規制が緩和されたが、ただし、1.5mのソーシャルディスタンスの保持や在宅勤務の推奨などはそのまま維持された。また、共交通機関は不要不急でも利用可能とされるが、マスク着用義務は継続された。

つづく

A子

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