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文化財 De Waag(2) 解剖学の公開講義

計量所De Waagはかってはオランダの人口の多い町のあちこちにありました。



中でもアムステルダム市のDe Waagがより有名になったのは、画家レンブラントの顕著な絵画、ニコラス・トゥルプ博士の「解剖学講座」の舞台がこの計量所だった事があげられます。



レンブラントは、当時のアムステルダム外科医組合の発注で、初めての集団肖像画として、1632年1月31日にトゥルプ博士が通称キットと呼ばれていた28歳の死刑囚をヴェサリウスの著書を見ながら解剖した「筋肉に関する公開講義場面」を緊張感溢れる作品として描きました。



この絵画により力量が認められ流行画家の仲間入りをしたという記念すべき絵画でした。



また、少し逸れますが、ヴェサリウス(Andreas Vesalius, 1514-1564)は、ブリュッセルで生れ23歳でイタリア、パドワ大学解剖学の外科医教授となった天才です。



学生を教える為に幾つかのスケッチを描き、1543年にそれらを纏めた医学史上の記念碑といわれる「人体の構造」第1版を発表しています。



現在訪れる事が出来る文化財デ・ワーフの形は、1691年に建築されたもので、長年を経て、ギルドハウス(同業組合集合所)、消防署、解剖学の公開講義(人々は劇場と呼びました)、市立フェンシング競技場、家具製作所、市のオイル照明製作作業所などの機能として使われて来ました。



19世紀前半には、デ・ワーフの前は処刑・体罰場となり、広場にはギロチンが置かれていたそうです。 (つづく) 



A子



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