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安全な市にもネット犯罪横行

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2021年11月・高橋眞知子・演奏家

冬到来。ふと目に止まったニュースです。
アムステルダム市が2021年、世界で最も安全な6都市の一つになった、とこれはCNN ニュース報道でした。 EIU(ザ・エコノミスト・インテリジェンス・ユニット)を調べると、首位から5位までは、コペンハーゲン、トロント、シンガポール、シドニー、東京。アムステルダム市は6位から10位内に収まる様子です。
安全性の基準はデジタル、ヘルス、インフラ、パーソナルなど各方面の総合点。
過去のデータも必見です。

2019年(首位から5位まで)東京、シンガポール、大阪、アムステルダム、シドニー
2017年(同様)東京、シンガポール、大阪、トロント、メルボルン
2015年(同様)東京、シンガポール、大阪、ストックホルム、アムステルダム

ご覧の通り,アムステルダム市は過去にランキング5位を出たり入ったり。日本はといえば、東京が連続首位の座から5位に降下。大阪はどこかへ消えてしまいました。
確かに夜の一人歩きにあまり問題を感ずることはありません。非常に喜ばしいことです。
こうしてアムステルダムが安全な町になっていったのは、政府や市の治安強化対策の手腕でしょう。
これに比べると昔はいろいろあったものです。カルヴァー通りの商店街を当時まだ幼い娘をバギーに乗せて行くと長身の二人の男に追跡されたり、中央駅でポケットに刃物を潜めた強盗から危機一髪で老女を救ったり、横断歩道無視のタクシーに手サインで注意すると入道のようなスキンヘッドの運転手が車から降りる
や、私の首に脅しとはいえ両手をかけたり、そんなこんなが巷に溢れていました。

今日一般的犯罪は減少傾向にあるようですが、武器販売が前年度より5%ほど伸びているそうで、実際にはさらなる分析が必要なのでしょう。
今年の7月6日にアムステルダム中心街で著名な犯罪リポーター記者、TVパーソナリティーのP.R デ・フリース氏が銃で撃たれて亡くなり、国民に大きなショックを与えたばかりです。
NRC誌はこの事件を追って7月30日の記事に、「世界でも犯罪件数の多いオランダ」と骨太の報道を提供しました。世界の報道自由度ランキングでオランダは上位6位。(日本は67位)

世界で安全な国はどこかも補足しておきましょう。調査機関で異なるためおおまかなところです。首位はアイスランド, 次がニュージーランド、続いてスイスというデータも。3位はポルトガルやフィンランド,そしてオーストリア。5位にはデンマークやスロヴェニアなど。あとはカナダやシンガポール、チェコ共和国、日本。

ここからは各国政府機関OSAC(Overseas Security Advisory Council) が公表している情報を紹介し、最後にまとめてみます。訳文にあるカタカナ名称は業界用語です。
「オランダは ” AMS-IX ;アムステルダム・インターネット・エクスチェンジ ” を基に、”インターネット・エクスチェンジ “の領域では世界第二に活発な国であり、屈指のデジタル情報網システムを保有する。そのため欧州諸国の “ デジタル・ゲートウェイ ”の窓口となっている。オランダは有意義なビジネス投資の誘致
をめざして”5G・テレコミニケーション・プラットフォーム”も改革している」。
IXとは相互接続(拠)点といわれるもの。

加えて次のテータを並べてみます。
「オランダではインターネット使用者の6人に1人が何らかのインターネット犯罪を経験している」。
これはネット犯罪が横行していることを示唆するものと理解します。

私も経験者です。使用していたホットメールがハッキングされました。私に成り済ました犯人が詐欺文面を作成し友人や知人らにメール拡散したのです。
「今イスタンブールにいます。演奏会を済ませたあと盗難にあって全て盗まれました。大変困っています。
申し訳ありませんが1500ユーロ送ってくださいますか」。オランダに1名の被害者が発生したことを知りました。警察での調書作成は役立たずで常習化する犯罪に対策皆無。とうとう未解決になってしまったそうで、私自身何とも身の置き場のないような気分を味わいました。

次に、これは起きたばかりの事件です。
彼は未知の者から電話をもらいました。ABN・AMRO銀行の者と名乗る非常に感じの良い女性でした。何をどう誘導されたのやら。求められるまま自身のコンピュータのデータを渡した彼に女性はこう言いました。
「これで準備完了です。カードを至急に切り替えましょう。担当者をそちらに向かわせますからあなたのカードを渡してください」。間髪入れずにひとりの男がドアの前に現れたそうです。異常事態だと気づいたときは手遅れでした。まんまと目標を達成した男が消えた後のことだったのです。彼とは友人のひとりで、これを聞き思わず「まさか、ありえない!」と叫んでしまいました。催眠術でも使ったような手口でした。
口座からは2万ユーロ以上が引き出されほぼ空に。銀行のデータから判明したことですが、犯人はゲームセンターに直行し、盗んだカードを使って800ユーロほどの博打ゲームに興じたそう。友人は”事件’を解決すべくプロのアドヴァイザーに依頼し交渉を続けていますが、どうなることやら。

まとめとして。
詐欺はますます巧妙です。被害者の個人的な環境まで調べたとおもわれる手口もあり驚異です。こんな発言は場違いで憚られますが、実に見事なものです。冗談ごとではない、極めて面妖な時代に突入していると我々は認識する必要があるでしょう。多種多様の犯罪がオランダに存在するのは想像できますが、ネット詐欺は減るどころか新手も現れます。さて、安全なアムステルダム市、つまり、目に見えないところは月の裏のようなものです。


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