オランダのこの時期は、4月27日の王の日(Koningsdag)に始まり、5月4日の戦没者慰霊の日、5日の戦争解放の日と様々な行事が続きます。
王の日のお祭り騒ぎから一転して国旗半旗の戦没者慰霊の日の日にかけては国内各地で大戦中の出来事や悲しい歴史を物語るテレビでの放映も増えます。
私がオランダに来て数年たったころ、あることに気がつきました。
トラムの番号に存在しない番号があるのです。
8番のトラムです。
大戦の歴史などに詳しい主人になぜその番号のトラムがないのかを尋ねました。
戦前、トラム8番は、路線ルートがアムステルダム市内のユダヤ系住民が多く居住する地域を走っていて、「ユダヤ人のトラム」と呼ばれていたそうです。
第二次大戦中にドイツ軍に占領されていたオランダは、ドイツ軍によって1942年ごろからこのトラムを使ってユダヤ系住民を収集し、中央駅への移送に使ったそうです。1995年にCirkletram(循環トラム)と呼ばれる数字の8をかたどるような路線が出来た際に、そのトラムに8番の番号をつける案があったのですが、市民から大反対が上り、以降8番のトラムは永久的に欠番となったとのことでした。大戦中の悲しい話がよく聞かれるこの時期、この永久欠番となった8番のトラムも戦時中の歴史を物語る「モニュメント」に違いないですね。
Historie van tramlijn 8
http://www.amsterdamsetrams.nl/lijnen/lijn8.htm
写真のトラム8番のプレートは、Amsterdam Museum https://www.amsterdammuseum.nl/
を訪れた際に見つけました。
B子
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