近年、日本で定着しつつある言葉「モンスターペアレント」。
主に学校や教育機関などに対し、自己中心的であったり理不尽な要求をする保護者のことがそう呼ばれおり、両者の不和がエスカレートして裁判となる事例もあるようです。
先日オランダのニュース番組で、アムステルダム在住の保護者30名が市と教育機関に対して訴訟を起こしたことが報じられました。
原因となったのは、アムステルダム市の中高等学校の入学システム。
希望しない学校の入学が抽選で決まった子供が、第一希望とする学校の入学を子供同士で交換できるよう、保護者たちがその可能性を求めての裁判のようです。
オランダでは日本のような入学試験がなく、一般的に小学校の修了試験(eindtoets/citotoets)の結果および先生のアドバイスにより、適切と思われるコース(レベル)が決まります。
アドバイスを受けたコースであれば、どこの中高等学校へ行くかは本人の希望で決めることができますが、定員を超える入学希望者がある場合は抽選で決まります。
今年に入って、教育機関等に対して行われた訴訟だけでも何百件という多さ。
ある保険会社の調べでは、2011年に裁判で扱われた件数は299件だったのが、2014年では720件と、増加の一途を辿っているようです。
増加の原因としては、保護者のメンタリティーの変化や学校組織の肥大化によって生じる保護者とのミスコミュニケーションなどが挙げられています。
元小学校教師のファンデルヴェルフさんは:
「10年前に比べると、保護者の方々はかなり能弁で意見や要求を明確に表示しますね。昔なら、子供が学校で罰則を与えられたら、家でも親が子供にお説教をするものでしたが、今では保護者から”子供に罰を与えるなんて何を考えているんだ!”と罵られやしないか、こちらが注意しなければならなくなりました。」
一方、法律家のスキッパーズさんは:
「学校組織が大きくなってきて、保護者にとって不明確になってきているのも原因のひとつと考えられます。保護者たちは不満や苦情がある時、どこにそれを伝えてよいのかわかりません。情報が明確でない状況においては不和や争いが生じやすくなります。」
オランダでも、ある意味で保護者がモンスターペアレント化(!?)しているような印象を受けてしまう、そんなニュースでした。
P香
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