在蘭邦人相談窓口のブログ

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オランダ絵画コレクション(2)                          

ファン ヘーケレン男爵  

1809年から1875年にかけてデンハーグ市のLange Voorhoutに ファン ヘーケレン (Van Heeckeren)という男爵が住んでいました。
男爵はオランダ美術絵画の熱心な蒐集家でした。男爵の没後、彼のコレクションは3人の子供、相続人、
田舎の城、大邸宅、へと様々に分散されました。その中の70点ほどのロマン派絵画が収集されハーグ歴史博物館で2011年2月迄展示されています。

バロンの正式名はヤコブ ディルク カーレル ファン ヘーケレン(Jacob Dirk Carel Van Heeckeren)という名で、
男爵のタイトルは、デンハーグ郊外のワッセナー(Wassenaar)やその他にLage Twickel, Weldam en Olidam, Obdam, Spierdam, Hensbroek, Wogmeer,
Zuidwijk en Kernhemなどの多くをもっていました。また、ヘルダーランド州デルデン(Delden)村の田舎のトウィッケル(Twickel)城を一時逗留の際の城として
所有していましたが、オランダ議会の議員としての職務や国王ウィレム二世、フレデリック王子の友人としての役割に多忙で、通常はデンハーグ市を居住地とし、
晩年もそこで亡くなっています。

コレクションはパリやブラッセルの画商、画家、画廊から初めは趣味として買い集めた19世紀後半の当時の新潮流を代表するバルビゾン派やハーグ学派の現代画でした。
展示の絵画は遺族、関連のオランダの城、南ドイツの城などから寄せ集められました。オランダの男爵階級の当時の生活や様子が家族の肖像画、住居、衣装・装束、家具、私書などの油絵描写と初期の写真により鑑賞する事が出来ます。また、ハーグ歴史博物館所蔵の肖像画コレクションからはオランダ王室とファン ヘーケレン男爵の関係を偲ぶことも出来そうです。

A子