オランダと海外の行き来や、国内を北から南へ、南から北へ。冬の休暇を利用して遊びに出かけ る人々がいれば、家族の元へと大小のプレゼントをかかえて帰郷する人々もいます。民族大移動と いえば大げさですが、年の瀬はいかにも慌ただしいものです。この場をお借りして、僭越ではあり ますが、ご挨拶させていただきたく筆をとりました。2018年も毎月のように寄稿させていただき ましたが、10、11月は訳あってさぼってしまいました。
写真をじっくりご覧ください。一つは取り立ててなんということはない見慣れたものです。 アムステルダム、ユトレヒト通りの年末のイルミネーションはこのように豪華になりましたが(去 年と変わりない?)、小さな通りでは、毎年繰り返し同じものを使っています。素朴なものです がそれで良いと思います。お金は他のところに回すのがよろしいと考えるひとりです。 あ、また同じ! 去年もこれを見たなあ、一年が過ぎてゆくんだ。ため息とともに、感慨、反省、 ノスタルジーなどが一緒くたになって訪れるものです。
もう一つの写真。こんなオランダをご覧になった方はもう少ないでしょう。運河が凍ることは稀 になりました。ほとんどないといったほうが正しいですね。私が初めてオランダにやってきた年 は、それがいつだかはともかくとして、アムステルダム中央駅の北側の水面もしっかり凍り、街の 中は運河でスケートを楽しむ人々で賑わったものです。ほっぺたを真っ赤にして白い息を吐き、手 をつないだり、椅子に支えられたり、ソリに乗ったりして、滑る。子どもが転べば泣いて、それ を見る大人は微笑む。犬を連れている人もいましたよ。氷の上を、彼等にしてみればこんな迷惑 なことはありませんね。その千差万別がいかにもオランダらしく、パリからやってきた私には別 世界でした。
そこで、何が大事といって、これなしに運河スケートは成り立たないというものがありました。 ご存じですか? Warme chocolade、ホットチョコレートです。運河からよいしょとばかりに這 い上がり道を渡って、オランダ黄金時代からずっとあるような小さく古風なカフェーにはいる。 手袋を外し凍りかけた手をすり合わせ、これを注文します。クッキーもしくは香料のきいたケー キの小片がおまけ付きで運ばれてきます。アチッなどいいながらカップを受けとり、たっぷりのホ イップクリームで本体が見えないそれを片手に、周りの客とよもやまばなし。運河スケートとホッ トチョコレートはきってもきれない仲だったのです。
世界が大きく動いています。多くのことが起きています。考えさせられながらも、時間が飛んでい く、といいます。
新しい年2019年に向けて、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。
2018年12月 高橋眞知子
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