在蘭邦人相談窓口のブログ

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オムレットバヴーズ よだれ風オムレツ

私たちのサポーターである高橋眞知子様より、おいしそうな記事をご寄稿いただきました。

                                1. +


6月というのに一挙に暑くなり真夏のよう。台所の窓を全開にして昼食の用意。


まな板の上で白カブの葉っぱを細かく刻でいました。オムレツを作ろうと企んだわけです。




ところがなんと、青臭い菜っ葉の匂いに誘われて遠い記憶がよみがえりました。


子供の頃しばらく東京のひばりヶ丘に母と住んでいました。近所の八百屋の買い物


でおまけにもらったひよこ3羽。体温が手のひらを伝わってくる柔らかい小さな生


き物は、母は飼うのを嫌がりましたが、ひとりっ子の私にはどれ程嬉しかったか。


むろん彼らが長生きしないことを大人は知っていた。でも例外があることは忘れら


れていたのです。




というのも1羽のひよこが成長してやけに大きな雄鶏になったからです。懸命に世


話した甲斐があったのかどうか、育った其奴の真っ赤なトサカは白いゴツゴツした


大きな体に似つかわしく雄々しいというより猛々しいくらいでした。目つきは鋭く


祖先は闘鶏かと思われるほど気性が荒く、餌を与える手を突いてくるわ、鳥小屋か


らだしてやれば、俺は本気で怒っているんだぞとばかりにバタバタと跳ね上がって


威嚇するわ。そんな庭鶏は焼き鳥にしてしまえと悪評高く、可愛いどころかとんで


もない奴だったのです。それでも彼がある日冷たくなってしまうその日まで世話を


したのはただの責任感だけだったのでしょうか。



オムレツ用の菜っ葉はまな板の上で普段以上に細かく刻めました。あとはボール


に卵を落として一緒に混ぜ合わせるばかりです。フライパンについていた水もきれ


いに拭き取りました。




だがなぜ? こやつはなぜそんなにアグレッシブだったのか?このことを今迄自問


したことがありませんでした。考えるまでもない。今思えばなんと可哀想なことを


してしまったのか。友のいないひとりぼっちヤモメ。母は他の鶏を一緒に飼いたい


という私の提案には猛反対しました。庭の片隅の人丈ほどの鳥小屋。木陰とはいえ


夏は暑く冬は寒い。半世紀も昔のことで、まな板を前にことの哀れに揺さぶられる


など、あるんです。



そう、オムレツのことでした。



オムレット・バヴーズとは仏語。バヴーズとはよだれ垂れ風くらいの意味。中だけ


がまだ半生で卵のとろりんがはみ出しそうな、おっとっと具合で出来上がったオム


レツのことです。卵を生で食べられない方にはお勧めしませんが、フランスでポピ


ュラーメニューの一つです。具はなんでもよろしい。写真のは赤ビートの葉っぱ。


ニラもよし。ねぎならエシャロットか甘い白玉ねぎ。キノコもよい、昨日の夕食の


残りに餅米玄米の残りなどがあれば最高。ぷちんぷちんと超1流の噛み心地です。


フライパンに敷く油はエキストラバージンのオリーブ油かココナッツ油(高値で


もちゃんと香りのあるビオ品がお薦め)。油を充分に熱してから流し込むこと。あ


っという間に焼けるのでその場を離れたりすると硬焼やこげ焼きになりますからご


注意あれ。卵と具財を混ぜ合わせる時に入れるひとつまみの塩、これはぜひ海塩を


。そしてとんがらしの片鱗を少々。


写真のボールの中は卵1個と具材をたっぷり混ぜたものです。お皿の上には卵


のとろみが泡を立てたまま写っています。これぞよだれ垂れ風オムレツ。パンチェ


ッタ(見た目はベーコンしかし燻製していない豚のあばら肉)でもカリカリに焼い


て合わせればもう言うことなし。これにサラダとパンでもつけて美味しく召し上がれ。  

高橋眞知子  2017年6月


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