へたばるまいぞ(3)
起きなければ。確かにチャイムが鳴っている。「どなたですかあ」。
「あ、隣のスズキです」。
「まあ、今日は大変でしたねえ、お疲れでしょう。そう思って何か甘いもの召し上がったらいいかなって」。
頭ふらりを悟られまいと、ケロとした顔で出迎えた私。
玄関先での立ち話。
いただいた箱詰めチョコレートやアメ。
日も落ちた。
夕飯時の忙しい時間にわざわざ声かけてもらった嬉しさとしばしのおしゃべりで、今の今まで床の上でぶっ倒れていたなど嘘のように元気回復。
隣人が帰ったあと何したか。
すっかり空で、床、壁、天井だけの家はガランと響きすぎて具合が良くない。
さっきまで敷いていたダンボール紙など立てたり組んだりしてみる。
近隣の迷惑を考え、少しでも音が家から漏れないように、これでも考えているのだ。
そして、いたって真面目に日頃の練習に臨んだ。
私の職業、演奏家。親を亡くす。
この初体験は私に何か大切なものを残してくれた気がする。
(つづく)
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