このコラムは、私たち窓口のサポーターである高橋眞知子さんよりご寄稿いただきました。
海外生活の中で人を困らせたことがありますかと尋ねられました。
この質問を受けるのは初めてです。
ところが具体的な返事は即座に出てきません。
人を困らせたことがないわけありません。
知らぬ間に困らせていることが山ほどあるでしょう。
でも相手が教えてくれぬ限り知るすべもない。
困る事や困らされる事は毎日ありますが、人を困らせた事が思い浮かばないというのはどういう事か。後で考えてみましょう。
ついこのあいだ、といっても去年の秋ですから半年ほど前のことです。
私はアムステルダムでも最も中心の旧市街にある運河沿いの家の上階に住んでいます。
日本式には5階と6階でエレベーターなどありません。
350年ほど昔のオランダ式の小狭い建物ですからエレベーターはつけられないのです。
狭い螺旋階段にもとっくになれました。
上階からの展望は街が違う角度から見えていいものです。
この我が家に敷いてあるライトグレーのモケット(床張り布)が大変古くなりました。
これを取り替える決心をしました。
決心というのは大げさに聞こえますが、ちょっとした勇気がいります。
交換には家具を持ち上げ移動させなくてはならないからです。
それを思うと気が重く店に出かけていく気も起きませんでした。
しかしそうもいってはいられません。
ある日店に入って尋ねました。
そこの主人、少しの代金をプラスで払えば家具の移動も職人がしてくれるという。
何も知りませんでした。
こんなありがたい話があるでしょうか。
早速その場で床布の質と色模様を選び爽快な気分で帰宅しました。
その後見積もりも済み、約1ヶ月半後。
大きな運送トラックが新品モケットを積み、ふたりの職人が現れました。
ひとりは30代の筋肉たくましく背の高い若者、相棒はそれと対照的に小柄な白髪初老のベテラン風。
通りの地面(レンガ敷き)から5階の窓に向けて電動梯子を設え作業開始です。
梯子の台に乗せた品を窓から搬入します。
オーディオなどの移動はデリケートで、何かと手伝いが求められました。
そのうちに手伝うことが増え上へ下への大騒ぎになるのですが、合間に彼らのコーヒーの準備も忘れてはなりません。
短期滞在で日本からやってきていたお弟子さんがひとり。
彼女も手伝いに加わりました。
(つづく)
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