この記事は、私たち窓口のサポーターである高橋眞知子さんよりご寄稿いただいたもののつづきです。
脱線しないうちに話を戻して、この彼女。
とてもすがすがしいエネルギッシュな女性です。
レッスンの日が雨、風、嵐であろうとも自転車でやってくる。
雨もよし風もよしと言いながら、雨合羽と長靴を玄関で脱ぎ、渡されたタオルで髪も顔も拭って、ありがとうと礼儀も正しい。
彼女の体制として何か疑問があれば質問するのは当たり前。
「私」は物事の根源的意味を持つのでワレの主張は当然の行為。
まさにオランダ人たる一派を代表する方に違いありません。
お世辞がない代わりに自然で素のままの良さがあります。
これは大きな特典です。
ある日のレッスンで。練習してきたフルート作品に関して、分かりやすくあるひとつのテクニックを伝授しようと思ったのです。
ほら少しずつ体を小さく小さくするような気持ち。わかります?
想像力を持ってやってみて。
だけど音質の密度は逆に上げるような気持ちで。
そらそうすると、こんな音が出るんだから。
と言って音を出すと「オーなるほど」と大きく反応。
じゃあ今度はあなたがやってみて。イメージの中で小さく、、、、なって、もっと小さく、、、。 すると、あるまいが。
「ネーイ(いや)、私は小さくなりたくない」。
思わず吹き出しました。自分を小さくするなんて想像もしたくない。
ネーイ。先生に言われたからって関係ない。
ネーイとやったばかりに彼女は得られるものを失ったかもしれない。
でも構わない、他のところで得をするかもしれませんから。まあいいでしょう。
こんなこともありました。
「日本人ってオランダ人が嫌いなのですよね。オランダ人は野蛮、粗野で日本人のように繊細ではないから。違いますか」。
ストレート投球です。
返事に窮して無駄な世辞など言おうものなら、敵は逃げたなと思われるのがオチで、こんな時にこそ思ったところを丁寧に失礼なく返すのがベストです。
国民性の違いこそは宝に思えます。
ほーそんな捉え方があるのかと感心、感動するだけでまた別の視界も開けるというやつです。
彼女まだ喜んでレッスンに通ってきてくれています。
冒頭の「東京物語」も日本で観たら別の印象を持ったはず。
それがオランダだった。
だからこそ得られおまけ付きの有意義でした。
2017年7月 高橋眞知子
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