この連載は、私たちのサポーターである高橋眞知子様よりご寄稿いただきました。
高橋眞知子 アムステルダム 2017年1月
またトイレで目が覚めました。
これは老化現象の一つだと聞きますが、そうかもしれません。
お天気は?目が覚めたついでにカーテンの隙間から覗いてみた。
手の届かんばかりのところに、いや、もちろん手など届きやしませんが、そう見えるだけのところに南教会があるんです。
ほんの少しだけ紹介してみましょう。
ガイドブックに載っている通り、17世紀もごく初期に建てられたルネッサンス様式の建築物です。
画家レンブラントの家(現在のレンブラントハウス博物館)が近くにありますが、かの「夜警」を自分のアトリエが小さかったためにこの教会で描いたとか。
何はともあれレンブラント家族にとっては大切な場所だったでしょう。
彼の誕生の頃に建築構想が始まった教会ですからなおさらかもしれません。
初めての子は赤子の時に亡くなりここに葬られていますし、四人目の男児ティテュスが洗礼を受けた教会でもあります。
弟子でボルという絵描きはやはり恩師のようにこの教会をアトリエ代わりに使ったらしい。
彼に因んで市内にはFerdinand Bolという大通りもあるくらいです。
よく注意してみるとレンブラント広場を含めて、市内の広場や道の名前はアーチストが目を引きます。
しかし必ずしもオランダ人ばかりではありません。それはオランダ小国が常に世界に目を向けてきたからです。
あと南教会にまつわる話で知られているのはフランス画家クロード・モネの絵でしょうか。
雲がちぎれ飛ぶ青空の光が運河の水に映え、その奥に南教会が見えます。
(「アムステルダムの南教会−1874年作」は現在米国のフィラデルフィア美術館のコレクション)
さてさて、ところがこの南教会、夏以来やぐらが組まれて、現在はてっぺんの風見鶏に至るまですっぽりとグリーン色のネットに覆われています。
心まで軽やかになるカリオン(チャイム)の音も聞こえなくなりました。
おそらく教会全体の修復工事なのでしょう。いつまでかかるのやら。
(つづく)
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