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世界の富士山(10) 三保の松原

白糸の滝を後に国道1号線まで出て、駿河湾北側に位置する日本三大松原の一つ「三保の松原」(構成資産番号25番)へ向かいました。



今回の富士山観光の希望最終観光地点です。



駐車場で車を降りてから海岸に出るまでの参道・松並木は通称「神の道」と呼ばれ、外国に長く住む身には立派な松に囲まれてここを歩くだけでも感動的です。



海岸線17kmには3万699 本の松が茂り波内際から眺める富士山は圧巻。



1916年には日本新三景の名勝地に選ばれました。残念ながらここでも曇って富士山は見えず、別の機会にゆっくりと訪ねたいと思いました。



毎年元旦には多くの人々がこの浜辺で伊豆半島の山々から昇るご来光を拝みます。


参道をまっすぐ進み浜に出ると、有名な羽衣伝説の「古松」が右手に見えます。



羽衣伝説の舞台は、三保の村の春景色(朝)に始まります。



村に住む漁師白梁(能・天女の舞では白龍)がある日、松の枝に掛った美しい衣を見つけ家宝にするために持ち帰ろうとします。



そこへ天女が現れ衣は自分の物で返して欲しいと頼みます。



漁師は衣に大喜びをして返そうとしません。



天女は「羽衣が無いと天に帰る事ができません」と悲しみ涙を流します。



人の良い漁師は天上の舞を見る事を条件に衣を返します。



羽衣を着た天女は喜び、月宮の様子を表す舞いなどを見せ、さらには三保の松原の春を賛美しながら舞い続け、やがて彼方の富士山へ舞い上がり、霞にまぎれて消えていきます。



別の昔話では、天女は羽衣を隠されてしまい泣く泣く人間の妻になる内容もあります。


能・天女の舞は、後に東遊(あずまあそび)の駿河舞として受け継がれたといわれています。



世阿弥の伝書では、天女の舞を特別なものと考えていた様子で、後の時代の舞の基本とされました。



現在では様式は大きく変わりました。



私も、春の海、白砂に青松、美しい天女の舞、遠くに臨む富士山などを想いながら、三保の松原の酸素を充分に吸い込み精気を得たように感じました。



最終地JR静岡駅へ向かう車中、旅の手配、多くの配慮への感謝を述べながら無事に到着、名古屋経由京都へと向かいました。



今回のたびは世界の富士山へと姿を変えた世界文化遺産を見聞するに相応しい小旅行となりました。 

(おわり) A子



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