小説「Sleuteloog 鍵目(仮訳)」は、
あるジャーナリストが人権運動東南アジア関係資料の中に出てきた
Mila Wychinskaミラ ウィチンスカに関する情報を教えて欲しいと
美術史家Herma Warmaヘルマ ワルナーに手紙で依頼するところから展開してゆきます。
ヘルマは記者が同封した肖像写真を見て、
幼馴染で見覚えのあるDee Mijersデイ メイヤースであると直に気付きます。
歳を重ね世間と交渉を絶ちOverijsselオーヴェルアイゼルで住んでいた主人公は、
永久に忘れ去ったと思っていた過去に、この記者からの手紙を契機に没頭せざるを得なくなります。
徐々に古い謎が解かれてゆき、オランダ領インディ時代の記憶の波が彼女に押し寄せます。
Hella Haasseの作品群は、やがては日本語に翻訳され出版されるものと思いますが、
オランダは誇るべき偉大な作家、そして、最も民衆に愛された著作家の一人を
2011年9月にまた惜しくも失す事となりました。
(おわり)
A子