オランダもチューリップ、水仙、桜、と春らしくなりましたね。
山吹の花も、今つぼみをいっぱいつけて咲きはじめました。
この花が咲くと、母はよく江戸城を築いた大田道灌の話を
してくれました。
雨宿りに入った家で、蓑を借りたいと言うと、
そこの娘は一輪の山吹の花をさしだし、
「七重八重花は咲けども山吹の、みのひとつだになきぞかなしき」
蓑ひとつなき貧しさを歌に託して差し出したが、
道灌にはその意味がわからず
のちにその意味を知り、おのれの無学を恥それから歌道に精進した
という話です。
山吹の花を見たら、フッとこんな日本の古い話に思いをよせて
みると、また一味違う山吹の花を見られるのではないでしょうか。
H子