在蘭邦人相談窓口のブログ

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男爵のコレクション

先にオランダ絵画コレクション(2)でファンヘーケレン男爵のコレクションについて書きました。男爵は1831年、トウィッケル(Twickel)地方の裕福な女伯爵マリー コルネリ ヴァン ワッセナールオブダム(Marie Cornelie van Wassenaer Obdam)と結婚します。マリーの出身地でオランダ東部のデルデンではKasteel Twickelを逗留の城として所有する事になりますが、トウィッケル城では先の持ち主の時代から家具、絵画、銀製品、織物などの数々の高価な品々が蒐集・保存されていました。 

 その蒐集品の中に大小の高品質な日本の磁器、柿右衛門がありました。この柿右衛門染付け大小セットは、ヨーロッパでは17世紀の終わりから18世紀にかけてのみ手に入った陶磁器で、最近に発見された城の記録から、1730年にヨハンヘンドリック ヴァン ワッセナール(一家は17〜19世紀の城主)によって、600ギルダーで購入された事が分りました。当時の労働者階級の年間給与が450ギルダー程でしたので大変に高価な買い物でした。
 
 これらの柿右衛門セットや現在の第14代酒井田柿右衛門(人間国宝)の作品、ウィルムアレキサンダー王子・マキシマ妃が日本公式訪問をされた時の贈呈品・柿右衛門花瓶、マイセンの柿右衛門擬似磁器などが、フリースランド州の州都Leeuwardenのプリンセッセホフ陶磁器美術館で4月3日まで展示されています。どうぞお見逃し無く。 

A子 

’Kakiemon. Meester-porseleinmakers uit Japan’  Keramiekmuseum Princessehof, Grote Kerkstraat 11, Leeuwarden.
 http://www.princessehof.nl/tentoonstelling/51.html