[オランダにおけるワーク・ファミリー・バランス]について、以前より研究を続けておられる日本研究グループの先生が研究成果を最近纏められました。
大変に興味深いオランダならではの状況が多く出てきますので、許可を得て部分的には抽出又は全文を、皆様と本Blogで共有したいと思います。
先ず今回は要約から入ります。
オランダにおけるワーク・ファミリー・バランス
善積京子
Work-Family Balance in the Netherlands
Kyoko YOSHIZUMI
要約
本稿では、世界的に注目してされているオランダのワーク・ファミリー・バランスがいかに実現されているかを論じる。
第1に、柔軟な働き方がどのように制度的に導入することができたのか、労働法の歴史的経過の背景をオランダ社会の特徴である①合意形成するシステムと②多元主義社会から解説する。
第2に、オランダの政労使組織を押さえた上で、①パートタイム雇用、②フレックス雇用、③テレワーク雇用に関する政労使による合意・勧告・法律から雇用政策の展開を概観し、それらの雇用の実状を統計資料から捉える。
第3に、仕事と育児の両立を支援する制度として育児休業制度や保育行政を取り上げ、それらの取得・利用実態を明らかにする。
オランダでは、パートタイム就労がフルタイム就労と同様に正規雇用として扱われ、1つの標準的な働き方となり、労働時間を選択する自由度が高められた結果、子育て家族のワーク・ライフ・バランスが実現したと評価されている。
その裏には、有期契約・派遣・呼び出しなどのフレックス労働者の存在がある。育児休業取得期間の給与保障がないために、産後休業期間の終了後、パートタイム雇用という形で職場復帰する女性が多い。
また「子育ては女性が行うもの」「家庭保育が良い」とする意識や社会通念が、公的保育所の整備を遅らせ、保育料金は高く、保育所利用頻度を抑制させ、それらの要因が女性のパートタイム就労の選択に繋がっている。
追手門学院大学・地域創造学部紀要4号「オランダにおけるワーク・ファミリー・バランス」
2019年3月10日
キーワード:ワーク・ファミリー・バランス、オランダ、パートタイム雇用、フレックス労働者、労働法、育児休業制度、保育行政
つづく
A子
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