彼女の学んだ北欧の英雄叙事詩が
占領ドイツ軍ナチスの観念形態・プロパガンダに組み込まれているとして学問を中止したHella Haasseは、
この事を2000年に完成させた小説「Fenrir」に書き消化させました。
タイトル「Fenrir」はノルウェイの古い神話に出てくる最も危険な悪魔で、
怪物の様な狼を表す名前から来ています。
退学後は演劇学校に入学を申請、1943年に卒業試験、
1944年には占領軍の設立した文化委員会への入会を拒絶して演劇の道から離れました。
一時期働いた学生新聞の編集者Jan van Lelystad(ヤン ヴァン レリースタッド)と結婚します。
第二次大戦直後に生まれた娘二人を育てながら小説や戯曲を書き始めます。
1981年、夫とフランスへ移住。
9年後に帰蘭してアムステルダムのLiedseplein沿いのアパート(Rem Koolhaas設計)へ入ります。
このアパートがHaasseの終の棲家となりました。
A子