在蘭邦人相談窓口のブログ

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サスキアが眠るアムステルダムのOudekerk (旧教会)

アムステルダム市最古の建築物が旧教会。この界隈は言わずと知れた飾り窓エリアです。教会後方右側はぐるりとそれらに囲まれております。初歩の旅行客はそれを見てあんぐり、もしくは納得の面持ちで頷くわけですがこれもオランダ式「寛容」の極みでしょうか。


教会の壁の前やベンチに仁王立ちになったガイドが諸国からの人々20名前後を相手に声張り上げております。特に週末の夜などはツーリスト軍団(オランダ人も含め)到来によって住人が悲鳴をあげるのです。この軍団はというと酒の力も加わり上や下への騒ぎもいたします。2年前の旧市街地域住民のための瓦版新聞「D’Oud Binnensatd(10月版)」がすでに「ああ、もうたくさんだ(Genoeg is Genoeg )」と書いていました。これは住民からアムステルダム市長への嘆願書でした。まさか自分の人生で自宅のドアの前に旅行者が群がり外出できなくなったり、自宅に行き着けなくなるという事態を想像したことがあっただろうか等、緊迫した様子が語られていました。路上や橋の上でのスナップ写真の取り合いっこをおもんぱかっていたら家に帰りつのは夜中になってしまうよ、などは半分冗談とはいえ笑っておれません。


オランダ・ゴッシックスタイルを代表する旧教会はこのような現代世情のど真ん中にすっくと立っております。1280年には木造の小さなチャペルに墓場がついただけのものであったのが石造りになりリフォーム(1578年)されカルヴァン派教会となりその後何百年もアムステルダムで最も重要な位置を占めたと言われています。



ここには1642年レンブラントの愛妻サスキア(Saskia van Uylenberg)が葬られています。床墓石は固く耐久性のあるグラニット石(花崗岩。石材となると御影石と呼ばれる)が使われており、29番の石床が彼女のものです。毎年3月9日にはサスキアの日が祝われるというので何かと思ったら年に1度朝陽がサスキアの墓石を照らす角度になるというものでした。旧教会ではこの日サスキア朝食会が行われます。もし陽が出なかったら?など野暮な質問はしないことにしましょう。さてそれならレンブラントは彼女の横に葬られているかというとこれは西教会です。旧教会にはレンブラントの「夜警」画中の中心人物たる当時の市長フランス・B・コック氏(1605−1655)が永眠しているのはご存知でしたか。その他オランダを代表する作曲家・オルガン、チェンバロ奏者、音楽学者のスウェーリンク(1562−1621)もここに眠ります。15歳で旧教会の専属オルガン奏者に就任したとは驚かされますね。



朝の8時に開演するコンサートはユニークです。旧教会ではそんな取り組みもしています。

私も聴きに行きました。早朝は音楽を聴くのに昼にも夜にもない特別な味わいがあることに気がつきました。                     



2018年3月  高橋眞知子


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