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元駐リトアニア初代特命全権大使・明石美代子氏を偲ぶ一演奏家として

在オランダ大使館勤務を経て、2004年、在デンマーク大使館・公使参事官(次席)に就任されたのち、2008年6月から2012年1月まで駐リトアニア初代特命全権大使を務められた明石美代子氏が2017年12月16日に永眠されました。心からご冥福をお祈りします。



その驚きに狼狽え、ただただ言葉を失いました。



お知らせを受けた前日、つまり旅立たれた日に演奏をしていました。日本を代表する世界の作曲家、故武満徹が書いたフルートソロのための「巡り」は、あるひとりのアーチストの死を悼んだ作品ではありますが、何度かお目にかかったことのある武満徹氏の死を悼む気持ちで演奏に臨みました。なんということでしょう。明石美代子氏の旅立ちの日に重なってしまうとは。外交官という職務にあられ、芸術が持つ意味と力、音楽など、見えず触れることもできないものの重さに確信を持たれていた。僭越な言葉を並べるのは気おくれがします。もともと芸術的伝統を持つリトアニアにあって、大きな希望を抱かれ、日々の激務の中にも「芸術」の社会的役割を模索し続けてこられたように思われてなりません。これは私の個人的な印象にとどまらず多くの方がそう感じられたのではないでしょうか。



躊躇がありますが、私が最後にお便りした手紙文から抜粋します。



「、、、2011年にお招きいただいた後、こうしてリトアニアに6年間、夏期講習や演奏の機会に恵まれてきたことは大変嬉しいことです。今回は重枝大使からお声がかかり、杉原千畝ウイークのクラッシック演奏会に出演させていただきました。、、、カウナスの小高い丘の上にある音楽アカデミーのホールでも演奏しました。そのお隣にある学校は2011年、東日本大震災後の10月(外交20周年記念行事「絆」)に訪問(演奏)させていただいた懐かしい場所でした。校庭を横にまわって見に行きますと明石大使が植樹された記念の松の木が立派に育っているではないですか。それを見て感動しました。それでお便りをさせていただいている次第です。雨も降り曇りの天気がほとんどでしたが、それでも柔らかく陽が差すと美しい緑が香るような様相でさわさわと風に揺らいでいました。、、、。  2017年9月14日





想い出とともに、深い感謝の気持ちを込めて、合掌。


    2018年1月 高橋眞知子


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