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オペラファンにニュース

この記事は、私たちのサポーターである高橋眞知子様よりご寄稿いただいたものです。



若いタレント歌手達による1回きりのオペラプロダクションが舞台道具製作のアトリエ(デコールアトリエ / 競技スタジアムアレーナ近く)で行われました。


今後同じような企画開催についてはまだ未定だそうです。



5月11日から19日まで、オランダ国立オペラ・バレーの舞台道具製作場、通称「デコールアトリエ」での公演、その初日に行ってきました。


演目は「マドリガル」。中世ーバロック時代の大作曲家、オペラの祖モンテヴェルディ(伊、1567−1643)の作品です。


天井高さ20メートルのアトリエには大小の用具や機械、舞台道具など。



個人的なコメントですが、観客の通り道で出演歌手たちが鏡に向かって化粧してもらっている光景はファミリアルな、もしくはなんでもありきのオランダ風情かもしれません。


劇場仕立ての観客席はおよそ300席でスタジアム風の板座が上へと段々に並ぶだけです。


オペラの優雅がないのをミスマッチと捉えるか斬新ととるかは自由ですが、茶色の石屑を敷き岩ひとつ置いただけの舞台はシンプルゆえに演出効果抜群でした。


ところがオーケストラの古楽アンサンブルは片端に追いやられ窮屈感がある上にライティングの逆光でよく見えませんでした。


歌手たちのつばが飛んできそうな目と鼻の先1段目の席を選び腰掛けるや、老齢のオランダ女性が隣から話しかけてきます。


「私ここは初めて。そう、あなたもですか。ちょっと傑作だわね。ただこれではお尻が痛くなりそう。借りてきたわよクッションを、あなたもいかが? 背もたれなしでは疲れるけど幸い長くはないから我慢しましょう」。





演目作品は次のようなものでした:


1.「心なき女たちの踊り」(マドリガル集第8巻)ローマ神話。ヴェヌス(愛と美の女神)とその息子アモール(キューピッド)がプルト(暗黒冥界の主)を探す場面から始まり、大胆に火を使うその仕掛けがユニーク。おそらく、我が国の消防法のもとでは適わぬ場面です。


2.「アリアンナの嘆き」(マドリガル集第6巻)ギリシャ神話。クレタの王の娘アリアンナが恋するテゼウスに島に捨て残され絶望する愛の悲劇。


3.「タンクレディとクロリンダの戦い」(マドリガル集第8巻)語り手が物語を歌います。闘い負かした相手の兜を外して驚愕する騎士タンクレディ。愛するクロリンダだったとは。異教徒同士ゆえの戦いが生むドラマ。クロリンダが息絶え絶えに歌う「肉体は構わない、でもどうか私の魂を救ってください。洗礼を、ああ、天国が、、。
演目最後に余韻残るシーンです。



*著作権に配慮してデコールアトリエの写真は載せませんが、Decoratelier behind the scene national opera & ballet では動画も見られます。




2017年5月     高橋眞知子



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